朝、店に着くと
最初の仕事は「たきび」
丸太を一個、わきに枯葉をたっぷり
その上に、よく乾いた小枝を十数本
木工所でもらった廃材を少々
太めの枝をサラダを盛るようにならべて
準備完了!
ライターで枯葉に火をつける
チロチロと燃えはじめたかと思うと
一気にひろがり、炎が小枝を包む
木の葉の燃える香りは実にいい
珈琲とは違う香ばしさがあり、
煙に包まれてもけむくない
かえってここち良いくらいで眠気もさめる
今朝はかなり冷えたのだろう
たき木の山がうっすらと凍って
日の光をうけてイルミネーションのようだ
小ぶりの丸太を一本加え、炎にあおられた部分の霜が
一瞬にとけて木肌が見えた
「桜か!」
花が終わった5月に枝打ちしたときの物
今年の桜は一週間もたなかった
春から木々や草の様子がおかしかった
毎年、5月に咲く菊が6月に
梅雨もあったような、なかったような
梅の実もろくにつかなかった
厚手のズボンを通して焚火の温かさが伝わって来る
うす煙の向こうの山の上に
ちぎれたような雲が ひとつ
風が吹かなければよいが…
山 居 人